写真はミトコさん、おやじちゃん様、緑タオルの人さん、楽さん、他各位よりいただきました、ありがとうございます。
あいまいな(もうろうとした)記憶をたどって書いております、前後・間違い等あると思いますスミマセン。
【強烈なインパクト】
熊本県の御所にたどり着いたのは、土曜日の朝4:30に出発してから9時間のドライブだった。
兵庫からはチーム秘密の4人だけで、まるで兵庫県代表だね!なんて盛り上がった。
「隊長、目標設定はどうする?」
「KTMに乗り換えた親方から逃げ切りたい、南牧耐久トライアルに出ている人たちと戦いたい、エントリーリストがすごすぎるけど10位くらいを目標にしたいな。」
初の九州遠征で車内はイケイケのアゲアゲムードだったのだが、意外と暖かい会場に到着したとたんメンバー全員の表情が凍り付いた。
実際に見てみるとネットで見ていた画像とはスケール感がまったく違う。
一帯は巨大なクレーターのようであり、とんでもない下りがある、いや下りに使う角度ではない、なんちゅうところにテープ張ってあるんだ?
この足元の登りも真下を覗き込む感じだ。
そしてこれはまさかスタート台のつもりなのか?斜めに組んだ足場の上では見に来た人が下を覗き込んでは首をひねって苦笑いをしている。
僕も下を覗きながら耳にしたウワサ話しが
「コレにイケマチ氏がクレーム付けたらしい。もっと高くしろって」
よかった。今から変更は出来ないはずだ。
下見の前に昼食を取ろうとしたけどいきなりインパクトありすぎて買ってきた弁当が喉を通らない。
いきなり完全にやられた。日本発のエクストリーム系ED、との謳い文句を少しナメていたな。
とんでもないイベントにエントリーしてしまった事を後悔したのだけど、これらはまだ序の口だったのだ。
【下見のインパクト】
とは言っても走るからには完全燃焼したい。せっかくこの日のために毎日トレーニングを積んできたのだ。
14時頃コース図(戦略図)片手に歩き出した。
スタート台は降りる操作イメージやGの変化を想像することは出来た
1発目の登りも助走がついたらまあ登れそう。ただし登った後に普通のヒルクライムな角度が残っているので「きれいに」登らないと転けてしまう。手前の角度が急なので下からは上半分の登りが見えないんだよね、そこらへんのユンボの掘り具合がうまいんだな。
丁寧に見ながら見て歩く。普段のレースなら、とうに3つも4つもセクションをカウントするくらい、ややこしい所を通過したのにたどり着いた「小手調べの坂」は セクションNo.1 である。
そして名前とは裏腹にけっこう難しく、その先が心配になった。
「ここはどうやったら登れるのか」わからないから先へ行こう
「これは乗っては降りれんやろー」落とすって事で先へ行こう
「ここも試走の跡がないよね」まじ通過出来るんだろうか?
などのUP DOWNをいくつも進むうち23番よどみ周辺に来て夕方時間切れとなった。
途中出会ったスタッフが爽やかな笑顔で僕らに問いかける。
「インパクト、足りてますか?」
セクションNoは全部で41まで振ってある。残りが気になったけどしかたない。
もし帰って来れたら見ておかないと。もう一度最後の下り(崖)と、登り(壁!)をじっくり見た。
登りはまあ、左を狙えば助走さえつけば登れそう、いや登るんじゃないな、これはヒルクライムじゃない。上へ飛ぶんだ、これはジャンプだ。
なにせ上半分の角度がトラクションのかかる角度をとうに超えている。
そして問題の下りがさっぱりわからない、降りれるイメージがどうしても持てない。
一番悩んだのが下のRがふかっとしていてFタイヤがめりこむ状態なこと。逆に固ければいいのだが。
乗って降りるを想像したら無事では済まない気がするし、バイクを落とすとどこか壊れそうだし。
ドンヨリした気分で宿に向かった。あんな会場に泊まったら眠れなかっただろう。
車の中で目標設定が「みんなでケガなく帰れること」に変わっていた。
【救いの神】
宿に向かうとおまけに雨が降ってきた。
きれいな宿に着いてまずはレストランへ。インパクトと下見の疲れでメンバーはテンションだだ下がり。
ウチのチームも 明日は社会人 いかにケガなく無事に帰れるかを話し合った。
なので「Red Chickenスタート」をお互い責めない、笑わない、無理しないって平和条約を結んだ。それも充分に怖い下りなのだけど。
つぎに重い足どりで風呂へ行くとき、たいちぇん殿ご一行がなにやら真剣に話し合ってる横を通った。
僕は脱衣場からまた出て行って聞いてみた。
「あの〜最後の下りって降りれるもんですか?」
「あれはムリでしょう、吊ろうかと考えてる。もし戻ってこれたらね」
たいちぇん殿でもそうなんだ!と湯の中でどんどん気持ちが楽になった。
秘密号は強いとは言えない鉄フレームの老体をあちこち削りまくっている。
他の人に比べたらずいぶん安いバイクなんだけど、途方もない手間暇をかけて怪しく作ってあるので自由落下は避けたい。
「明日はウエストバッグにロープ入れて走ろう」
その夜はおかげさまで眠ることが出来ましたありがとう。
【スタート前】
心配したけど雨はあがってる。
標高800m×5℃位寒い?=平地と同じセッティングで行けるかな?と思っていたのにぜんぜん寒くない。
乗ってみてやはり少し濃いのでMJを122→120番へ落としたら良くなった。
僕のセローで燃やせるのはたかだか120番程度なのだ。
下見した感想で言えば、これを走破するにはトライアルセッティングだなと。
泥試合だとチェーンをゆるゆるにするのだけど、開け閉めのタイムラグが無い感じが必要とみて張り気味にセットした。
空気圧はF0.35 R0.25 各所の激下りに備えて前もギリギリまで下げたがゴロ石の沢があるらしいのでこれ以上は下げられないな。
ガソリンはミックスしたセミハイオク。
とりあえず1周分だけで軽くしようとしたのだけど、4時間もがいたら足りないかもって気が付いて5L入れた。
スタート台の送り出し、失速しそうな登り、極端な下り、
すべて足はステップの上が理想なので今日はスタンディングのバランスが特に必要と思った。
ペガサスカップの朝にやるようなフルロック8の字ターンでウォーミングアップした。
太一選手のデモ走行で会場が盛り上がる。
「今日〜はタイヘンだあーこりゃー!」って叫びながら帰ってきた。
そして若いゼッケンからスタートが始まった。1分ごとに歓声があがる。。
チキンゲートの横でバイクの挙動を観察してみる、速く飛び出してしまうとやはり危ない。
ただ1台だけすごく速く飛び出して角度のゆるい所まで直接飛んで行った人がいた(BIG TANK3月号でタイスケ選手と判明、納得)
しかし中途半端に速く行ってライダーの姿勢が悪いと激しく前転するのも見た。
こうゆうの見るとやっぱりチキンに行こうかと迷ってしまう。まさに己との戦い。
でも僕は行っとかないと後で後悔すると思った。
ゆっくり見ていたら50番がスタートしてる、おっと5分前だ。
【スタート】
あんな所でエンストしたら怖いよね。
前の下が見えない所でエンジン暖めてる気持ちって微妙、、、
日章旗が振られた。数秒後に起こるのは歓声か悲鳴か。これぞ真剣勝負って言うんでしょうか、こんなに集中力だすことって人生の中でそうはないね。
限りなく遅い状態からミートして下向きのウィリーでバイクだけ押し出す感じがいい。
ほんと何も聞こえなかったと思う。イメージ通りにキレイに降りれた!
YouTube(ナオイさん&シンヤさんthanks! )
一つ目の登りはすでに渋滞が始まっていたけど、ごねんねオラオラで先に行っちゃいました。
左に下る所でベストラインをオーバーしてしまい、よいしょとバック。
数個の名も無きセクションをこなして No1小手調べの坂へ降りていく。
【No1小手調べの坂】では5台ほどが苦労していた。
セクション幅はとても広いのだけど、行きやすいのがどのラインって事もなく全部難しい。
うろうろしたけど結局一番左のラインから、ズバッと!行ったつもりだったけど尊師様がビデオを構えていたのにバタバタ恥ずかしい登りになってしまった。
【No2オーバーハング】の一番手前にリタイヤ用のラインなのか?ってくらいのが1本あったのだけど、まじめに右の奥から登りました。
これはF1藤田選手かっこいいです
【No4スーパーバームの丘】来ました、1つ目の試練って感じでしたね。下見の時「こんな斜面使うか?」って思いましたし変なラインしか見えませんでした。
僕が到着した時はすでに助け合い運動が始まっていて、1ケタNo.の選手からたくさんつかまってて内心しめしめ!と思いました。
ここで早く抜け出せば、、、という自分も簡単に抜け出せるはずもなく、助け合える友達もおりません。
それでも何度かスイッチバックでみんなより早く上り切りました。
フルサイズのレーサーに比べると小柄で足の短いセローは傾斜地での方向転換がやりやすかったと思います。
今思えば左の直登りもトライするべきだったと反省。
【No5奈落の小蹴落とし】かの「危険・必見」セクション。
道路際の水の無い沢へ降りる所が背丈くらいの飛び降りになっていて怖かった。
一旦逆向きに飛び降りるラインがあったのですが下が平坦でないのでリスク大です。
まだまだ序盤、先は長いです。迷わずセローだけ先に降ろしました。
【No6シリルの崖】途中の角度がハンパなくグリップで登れる所ではない。
ここはさすがにレーサーのパワーが必要と見た(言い訳!)
仮にセローでアタックするなら13:49のファイナルで2速と3速の中間が欲しいと思う。
逃げなかったのはこの方、トミタコージ選手です。
こんなんなりながら何度も挑戦する姿に男を見た!
僕は迷わず【No7石碑ヒル】へ、ちょうどスーパーバームの丘を小さくしたような登りでラインもありました。
【No8 5段落とし】乗って降りれるのだろうか?見た目にヤバイ下り。
パンペーラの人と同時にセローを連れて降りた気がします。
右からそんなラインあったんですね、この人乗ってるかっこいい!
【No9フラッグシップ岡部】ここである意味順位が決まった気がします。
僕が到着した時つかまってるのはまだ5台くらいだった。
くぬぎの沢からまっすぐヒルクライムなんだけど何度トライしても8合目〜9合目あたりの角度が急で凸凹があり登り切れない。
そのうちたいちぇん殿がうまく登り切ったのと、太一選手がキレイに1発で登って行った。その他は誰も登れない雰囲気になった。
助走をつけて登り始めてもその効力は真ん中あたりまでで、上の方はまくれるのでアクセルを戻してしまう。
だんだん台数が増えてきた。あきらめモードで眺めてるだけの選手も。
僕は10回くらいトライしても行けないのでしかたなく奥の手だ、リアの空気を少し抜いた。0.2を切ったと思う。
それと面白い事を思いついた、フロントサスのエアを抜いてみた。ギリギリの所に身を置くとあたらしい発想が出るんだな。
そのおかげかクリーンではなかったが押しも入れて自力で脱出することが出来た。
その隣のさらに角度のきつい山を、元のくぬぎの沢へ向かって降りてくる時、さっきの斜面で助け合い運動が始まっているのが見えた。
【No12フジタニヤリ】
急な下りの最後がさらに落ちになっていてチョー怖い
【No13フジタ泣き】登るべき斜面が何と影になってます。
下見の時、試走の跡が無いのがワケわからんかった。
右は低いが軽く2段になってる。でも右で登りました。
【No17怒濤ストレート】直線区間が完全に「休憩区間」となりました。初めて出た中津川EDでクタクタになったのをを思い出しました。
【No21 ZIMヒル】から【No23よどみ】にかけて右折れの急坂を降りるのですが、ここが曲がれない!
左の低い所へ落ちそうで必死こいてセローをひきずって下りました。これはもう体力勝負です、鍛えてきてよかった。
もう誰も来ないし一人でアタックツーリングしてる気分でした。
よどみは心配するほどぬかるんでなく、まっすぐ通り抜けました。
下見をしたのはここまでで、光安坂を登った後だったか、急な下り斜面がでてきてどうしようかと思った。乗って降りるのが本当にきつかった。
【No24男道】黒土の登りで轍が2本ありました。右の轍はすでにセローでは引っかかってしまう深さ。まずは轍の無い所を登ろうとしましたが失敗。左の浅い方でモノレールみたく登りました。
チーム内でライバル視していた親方が早々とリタイヤしてしまった事を聞き驚く。
【No25 沢】ここの沢だったかな?やたら狭くて倒木が多く、くぐったり乗り越えたりが大変だった。その本数と太さが許してってくらいしんどかった。でもくぐるのは背の低いセローは有利だと感じた。
それからこの沢だったかな?戦略図にも書いてない【恐怖の一本橋】
充分に第一級のセクションです。F1藤田塾長と前後して沢を進んでいるといきなり目の前に現れたのは確かこんな形
ヘルカメ要るなあ
本体は傾いています、失敗したらどうなるんでしょう?でも尊師様がビデオ構えて見ていらっしゃる!よしバランス一発!すいーっと通り抜けました。
尊師様が撮ってくれてる前で走れるのって贅沢だなーって思いました、このシーンDVDになるかもしれません楽しみです。
【No26タカキの里】そのタカキ様の名を冠された深い森です。おそらくこれは遭難しているに違いないと心配になりました。それほど暗く深かったです。
ここでもイヤというほど倒木の嵐。ホイールベースごとに現れる磨かれた太い幹。トラクションがかからないふかふかの土。どこだったか1箇所ぶっといのがナナメで高い位置に横たわっており力技でも困難な倒木がありました。
トライアル的な乗り方がなかなか出来ず体力がすべて奪われました。
もがきながら時計を見ると2時間を過ぎていて、ああ、これで2周行く可能性はなくなった、ってほっとした。
【No27 林道】ここだけはレースじゃなかったら素敵だなーって思えるはずの深い林道でしたが味わう余裕はなかったです。
その出口だったか?ギャラリーが数名居る所へ出てきました。人を見て安心しました。
「みんなそこ降りて下ってるよ」って言ってもらいましたが
ここは乗って降りました。前はフルボトム前転寸前です。
【No28 池町】ヒルクライムです、急です。
右にあがったらいいのか左にあがったらいいのかわからないままトライしたけどやっぱり失敗やりなおし。
2回目でちゃんと登れました
【No29 下り】池町の隣を沢に向かって下ります。めっちゃ急です。乗って降りたらどれかの木に激突しそうだ。セローを連れて歩いて降りますがFブレーキ触るとバイクだけ前転しそうで使えません。で、1速でエンジン止めてクラッチをブレーキ代わりに使って下ります。
【No30 バラバラ沢】さっきより広い沢です。ふみねこさんが写真撮ってくれた場所かな。がんばって立って乗れたらスムーズなんだけど、頭大の石がゴロゴロで全身疲れます。
【No31ポンプ小屋】をすり抜けて狭い支流を右に曲がると
【No32 KTCクリーク】です。沢っていうか渓流登りっていうか泣きそうになるくらいしんどかったですね。
KTCクリークの終わり頃、右手の土手に上がる所で失敗しセローを1回転して落としました。
ガソリンが流れ込んだらしくカブってエンジン掛かりません。よほどヒートアップしたのでしょうかHOT STARTの弁(クランクケース内負圧をキャンセルする、注射器を工作した物)が熱でおかしくなりました。
しかたなくここ以降はEオイル注入口をゆるめてからスターターを回す儀式が追加となりました。
ぎりぎりバッテリーが上がる前に始動成功。
修理したセルモーターは絶好調です♪
【No34 大窪祭り】ユンボで作ったいろんな難所が待ち受けています。5Dみたいな下りやステアケースの連続。沢で疲れているのにカンベンしてくださいって感じでした。
【No35バックストレート】完全に休憩タイムです。イノシシ4頭組がコース目の前を横切りましたが轢いてしまう元気はぜんぜんありません。ここまで来るバイクが少なかったから?のんきに歩いているのでしょうか。
またも我が目を疑う風景出現。
【No36ブラックホール】だ。おもわず止まって目をこらした。
急な斜面を斜めにまっすぐ下るんだけど乗って降りたくないくらい急だ。でも乗って降りないといけないくらい狭い。そして長い。
途中でブレーキが効かず おっとっとっとってスピードが乗っちゃったら大変!降りきった所がカクッと右折になってるのが小さく見える。
それ曲がれないとどうなるか?タタミが1枚ガードとして置いてあったし、ロープもガードレールみたいに張ってあったと思う。
でもねそんなん気休めだと思います、たぶん突き破ります。バイク止まっても人間は谷に向かって飛ぶでしょう。
その先がシュルルルーと、どこまで落ちるんでしょうか。「落ちたら回収できない沢」たるゆえんです。
めっちゃ怖かったけど乗って降りました。
走るって感じではなく、スタンディングで立って止まってるのを 少しだけブレーキ緩めてちょっと降りる。の繰り返し。
最後に曲がりきれず、スタンディングのままリアを振ろうとしてコケてる映像が配信されちゃってますね(笑)
ここに居た人から「まだ8人くらいしか来ていない」って教えてもらった。
【No38 早川】今までと違い開放感のある広い沢に出た。
静かな水流をさかのぼるのだがバイクは他に見えない、水は澄んでいるから深さは見える。
ギャラリーもおらずたった一人で山中の沢に迷い込んだみたいだ。
1回だけ後ろから2ストの音が聞こえてきたけどそれ以降近づくことはなかった。
ところどころセローのエンジンが浸かってしまいそうな所があるので注意して進む。
目の前だけ見てるとまずいところへ行ってしまうので、遠くを見てラインを組み立てながら行かないとダメだった。
ずうっとアミダくじを選びながら走ってるようだった。それが行けども行けども延々と続くのです。
あいかわらず頭大の石は丸く、足を着くと動くし容赦なく滑るからすでに売り切れのスタミナがさらに搾り取られる。
立って乗れるとスムーズなのは自分でわかっているけどしんどくて立てない。
終盤とっぷ患殿がビデオ手に現れたが元気な走りを見せる余裕はぜんぜんなかった。もうヨロヨロの姿を撮られてしまいました。
見えない所まで行って止まって休憩。
休憩のために止まるのはこの日初めてだったと思う。ウェストバッグに入れてきたチョコレートを全部食べました。
口の中の甘いのが終わるころ、沢セクションはやっと終わった。
結局、水の中では無転倒、冬の御所でブーツ以外を濡らすことがなかったのは幸いでした。
ヨタヨタしながら川から上がると【No40 名島亭】なんだかラーメンのちぢれ麺みたいな登りだった。
せっかく面白い登りセクションだったのに疲れていたのか2速のままで乗りにくかった。
ギャラリーが熱く声援くれました。
息を整えながらのどかなUP DOWNをいくつもまったりと乗り越えていく。
と、ふいに現れる激登りや乗って降りれない激下りは【No41 熊谷】
ここでホンダのCRに追いつかれて先へ行かれた、さっきの音の主かも。でも追いかける元気がない、1位後退したのだろうか?
5?番だったから少しくらい先へ行かれても自分の勝ちだけど、もうその価値観はどうでもよくなっていた。
だんだん風景が壮大な感じになってきた。遠くに会場が見えてきた。
俺、帰ってきたんだって実感した。
MXコースらしきスリ鉢状のキレイな地面を走っていく。
なんの障害物もなくコーナーの傾斜にGをあずけて走れるのがなんか天国を走ってるみたいだった。
それを今日味わったのは目の前にある、わずか10本くらいの轍だけだと思うと興奮した。
しかし不安も襲ってきた。この先のコーナーを右へ曲がると会場ではないか?
ゆっくり進んだがついにあの会場へ帰ってきてしまった!!
「セローが帰ってきました」みたいな放送が聞こえる、ゴール地点から多数の視線を感じる。
このセローはワンオフ手作りパーツ満載。自由落下で壊したら後がめんどうだ。
だいいち壊すと最後の登りが登れずゴールできないではないか。
恥ずかしいけどロープを出して松の木とシートレールを結んだ。
「何をやっているんでしょう?ロープですか?」実況されちゃってる。
ロープワークは無知だし、さらに思考力低下。
あとで考えるともうちょとやりようがあったのにバカですね、両手でロープをつかんでセローを足で蹴り落とした。
一瞬は抵抗したけど100 kgの荷重でロープが走り出すと瞬間的にグローブは溶け、両手をヤケドした。
脊椎反射でロープは瞬時開放!ほとんど自由落下(笑)角度が急すぎてセローの落下速度は見えませんでしたが。
ゴール地点で見ていたふみねこさんによると「効果はなかった」らしいです
ほかにも数名ロープを使ってうまく降ろした人がいたようだ。
教訓:火事等でロープにつかまり自分が助かろうと思った際は、ゴールキーパー級のごつい手袋が必要。
そこへ太一選手が帰ってきてセローの横を行くからと、
すっと斜めに降りて行った、神!
自分は遠回りして徒歩降り。結果オーライでセローは無事だった。
ロープをほどくと気持ちはゴールに集中した。
ギャラリーの視線ひとりじめ!行くぞ!って2速全開!!スピードが乗ったー!って思ったら「ブスブスっ」てガス欠状態で緊急停止!
ガソリンコック開くの忘れてた。斜面に行ってなくてよかった。あんな上で失速したら失神するんじゃないかな。
もういちど元に戻って仕切り直し。
左だ。下のRがいい感じなのは左。で、全開!グリップする、スピード乗る!あとは覚えてません!
左足の下に杭と横断幕!空中からの眺め。そこから記憶再開
横断幕を破いて着地!ゴメンナサイ。観客にもギリギリだった。
俺帰ってきた!やった!みんな祝福してくれる、なんて嬉しいんだろう!
完全燃焼のガッツポーズ!
もう順位関係なく「おめでとう」ってみんな言いに来てくれた。
G-impact最高!すうぱあセロー号最高!ついでに俺も最高!って思っちゃった。
たいちぇん殿もわざわざ来てくれた。「セローですごいわ」って言ってもらった。
たいちぇん殿こそ5位入賞おめでとう!
あのときのみなさんありがとうございました。
4時間内に完走できた17名
公式リザルト
CRで最後に抜いていったのはエンジョイズの金子選手でした。
分タイムは同着だったのだけど、「秒」なのか「年齢が上」なのかわかりませんが、前に書いていただきました、ごっつぁんです。
ふみねこさんが書いてくれたページ
チーム秘密メンバー
匠君はコースクローズを過ぎてプラグシールをめくられても
「まだ先へ行くんじゃ〜!行かせー!」って、スタッフを困らせたそうな。
そのガッツに敬意を表しつつ、困らせたスタッフにスミマセンでした。
そしてすごいコースを造ってくれたスタッフの皆様お疲れさまでした。
4時間の持ち時間制てのも敵が見えないところが面白かったです。
自分との戦い、存分に堪能いたしました。
こんな極限状態を体験出来るイベントが続いて行けること、また来年も楽しめる事を願います。