この半年間、僕のバイクライフやその気持ちにはいろんな変化があって、それぞれをネタにしてくればよかったのだけど、セロー以外の事もあって、なんだかここには書きにくくイロイロ溜まってしまった。
台風のサバイバル戦も含めて何からどう話せばよいのやら、、、
ということで秘密計画中間報告も兼ねて「粒焼特集」です。
そもそも秘密計画とは****
GASGAS TXT(トライアル2T250)を手放したあと、通勤にも使えるSL230を探していたが「セロー225の方がマニアックには面白いらしい」という情報を信じ中古4JG1を入手。
受け渡しのあと、初めて乗ったセローは「重いけどこれは秘めている!」と感じ、軽量化が始まりました。
重さを取っていくと、どんどんセローの良さがあらわになってきて、「これは使える!」って感じになってきました。
そんな時に知ったのがCGCや美和EDという過酷なレースがあること、トレール車で活躍してる人もいてるって事だった。
この2つに挑戦してみたい、自分はどこを走れるのか?そう思いだしました。
このバイクと、昔やっていたトライアルの経験を生かせばイケるかもしれない、って。
どうせやるなら「日本一有名なセローにできたら面白いな」と思ったのもこの頃で、「ブログを始めたいけどネタがない」この気持ちとリンクしていろいろ書き貯めてきました。見に来てくれたみなさまには感謝です。
セローでやってみて****
エンデューロという競技を実際にやってみると、ライダーとしての経験値やスキルが大きく、初めて走った中津川では当然 Soyaさんには足元にも及ばず。ヘトヘトになりました。
その後出るたびにバイクにも様々な対策が求められ、次々と課題が出てきました。
ただメンテナンスマニュアルは懇切丁寧に書かれていて、バイク屋に任せていた整備はだんだん自分で出来るようになりました。そんなことも懐の広いセローがそうさせてくれました。
セローにはほんとうにいろいろ教わった事が多いと思います。
しかしながらレースで使うとなるとやはり限界も感じました。
性能の問題は、自分より速いライダーが乗ったとしたらもっと前を走るだろうから、バイクのせいには出来ないんだけど。
最も困るのはやはり整備性の問題でしょうか。
もともと競技用の設計ではないので、クラッチ板にアクセスするにも大変です。
過酷なコースではあちこち酷く傷めてしまい、このままでは大好きなこのバイクがあまり長持ちしないと感じました。
最初、美和やCGCの映像を見て、セクションを切り抜けるスキルと性能があれば通用するのかと勘違いしてました。
で、トレール戦などで10位以内に入りたい、6位の表彰台に登ってみたい、そんな目標を立てたのです。
「レーサーに乗り換えるのはセローで入賞してから」そんなハードルも自分に課しました。
ところがやっていくうちにわかってきました。「 TOP10の人たちはセクションは問題ない 」
あとは移動区間の競争となり、さらにセクション通過速度も速く、黒い人たちはみなさんものすごくタフだったのです。
ここで「バイクのせい」になってしまうのだけど、レーサーと戦うにはエンジンと足がかなり違う。これを痛感することになります。
セローにはかわいそうなくらい全開にした、とあるトレール戦で11位でした。どうしても10位に入れない。
走っているレーサーを追い抜けない限り目標達成は難しいと実感しました。
そして年齢も47にさしかかり特に視力がどんどん落ちてきました。(ほんとうに石井選手はスゴイ!)
うす暗いウッズに入ったりすると見えなくなってきた。やばい、今のうちに速い世界を見ておかないと!
人生は一度きり。やりたいことをやっておかないと、、、そういう気持ちになりました。
それでセローはトライアル的イベントやまったりツーリング、お山アタックに温存していこうと。
走るレースにはそれなりのバイクを用意して、自分はどこまで走れるのか今のうちに確かめてみよう!って。
じゃあ何がいい?と物色しだしたのが1年前くらいからでした。
理想のマシン探し****
ではどんなマシンが自分にとって理想なのか、、、
一応フルサイズ、シート高は高くない、立ち乗りコントロールがしやすい、トラ乗りもしやすい、ある意味乗り方を要求しない、しなやかな鉄フレーム、Fフォークは太すぎない、柔らかいサス設定、小さい4スト250エンジン、極低も粘る特性、フラットな出力、パワーありすぎない高回転、楽なインジェクション、よく切れるハンドル、9Lくらいの透明タンク、100kg程度の軽さ、軽い油圧クラッチ、整備性が良い、かっこいい、価格は100万程度、、、
そんなバイクありませんわね。
でイロイロ試乗してみると、乗り味が理想に一番近い(理想を越えてた)のが シェルコ2.5iF でした。これはもう完璧。
すごい軽くてしなやかで、乗ってて気持ちよくて、どんな乗り方でもいいですよ〜って感じ。トラ乗りも寛容。座って速いのも寛容。おまけに美しい造り込み。
こーれはいいわ〜!!って笑いながら試乗、どこでも行ける気がしました。
理想と違うのは回せば予想外にパワフルだったこと、価格が高いこと、黒タンク、等です。
次に近かったのは ガスガス250F でした
これも極低が粘る!サスが柔らかい、新車でも85万!なんといってもまるでトレール車なみの乗りやすさ。
自分のセローにくらべるともちろんレベルは違いますが、方向は同じ延長線上のキャラクターです。
まてよ、これを買ったらキャラかぶるやん。と思ったのと、やや車重を感じた。この挙動はエンジン由来か?WRに似たお釣りが残る感じ。
「また軽量化するのか?面倒だな」とも思いました。しかし値段が魅力だった。少ないタンク容量はマイナスポイント。
セローを手放して低予算で1台にするならこれかな?とは思いました。
他、少しずつの試乗なのでちゃんと理解してないですが。
ハスクTE250→エンジンの存在感がない軽さがすごい。自分的にはどうかと思ったのはステップの位置が高くて前にあることで立ち乗りが窮屈だった。それだけに轍には一番強いマシンだと感じた。
フサベル2T250、ガスガス2T250→パワーありすぎてコントロール出来ないと思った。あー2T250は自分には無理かな。デリケートな僕は振動もイヤ。試乗車のセッティングでは僕ごときだとサスが動かず硬すぎる印象。
250EXCF→とても乗りやすくて完成度の高さを感じたがシート高が高いんだよねえ。整備性がよさそうでした。
tm125→ああ、体験してしまったという感じ、これはすごい。楽しい!軽い、安心、安全、速い。だけどやっぱり2スト。それなりの操作が求められる。値段もすごい。
tmという戦闘機****
他にも試してみたいバイクはあったし、EXC-Fにも未練があったのだけど、その気持ちを吹き飛ばしてしまったのがtm250F(08)でした。
2010の年末、5DのHPでアルミフレームtm250Fの中古を見つけました。
tmってバイクは自分の理想とは違うバイクだと予測はしてました。
硬そうなフレームやしエンジンは高回転型だろうし、フォークなんて50φもある。
たぶんかなり違うだろう、、、
でも一度乗ってみないとダメとも言えない。
試乗をお願いして広島までドライブ。なんと世界のマエダッチさんが先導してお山に連れてってくれました。
そのコースが予想外のハードさで、ゲロレースに迷い込んだかのよう。
格闘しているうちに感じてきたのが 「 やっぱり理想とは違うけど、なんだろうこの感覚! 」
「安定感がハンパない」「エンジンの躍動感がたまらない」「重いのではなくガッシリ」「なのにしなやか」「楽しい!」「コンパクト」「すごい低重心」「トラクションがすごい」「乗り方は要求してくる」などなど、、、
どうでもいいやと思えてきたのは
「ハンドル切れない」(でもアクセルターンの方が早いやない?)
「高回転型」(速い走りを覚えたかったのとちゃうの?)
「軽いがウリではない」(重いという事ではなく他の美点が盛りだくさん)
理想と違うんだけど、何かある。 なんだかわからないけど、スゴイ。
僕を成長させてくれるのではないかという予感。
ネチネチコソコソした僕の乗り方をキッパリ否定してくるこのバイクに乗ってみることにしました。
2011年1月末 購入。
セッティング****
そうは言っても余計な重さは取っておきたい。
登録する予定はないからハーネスを抜いたり、フロントカウルを軽くしたり、ハンドルロックを取ったり、ちょこちょこ取れるモノは取った。
ステップを好みの物に変えたり、ハンドルはセローと同じく幅を詰めた。
切れ角は少しだけ増やした。
かなりのハイスロなのでスロットルパイプを彫刻し1/2開までの幅を持たせた。
セローの時に培った秘密のノウハウ「ビードストッパーレス」も施した。
TDMRキャブのセッティングには今も試行錯誤しているが、意外と低回転も使えることが判明。
サスセッティングは買った時よりは柔らかい方向に、しかし慣れてくるにしたがってだんだん硬くしています。
tmデビュー戦****
セローでは一応、山走り大会で6位入賞も果たしたって事で、tmでレースに出ることになりました。
ほんとは初戦はJNCCで練習試合のはずだったのだけど、震災の影響でサバイバル戦との順番が入れ替わってしまいました。
tmは買ってからセッティングや練習で13時間ほど乗り、セローで行ける所はだいたい行けるようになってきたし、なによりめちゃくちゃ速い。2Tほどではないがワープするようにコーナーに到着してしまう。
だいぶ慣れてきたところで整備をして台風のサバイバル戦へ向かいました。
トレール戦もこれで最後だし、ものすごく面白いコースに雨が降ってるし、はっきり言って狙ってやろうと思ってました。
ところがクラッチ部品の組み付けをミスっていて半クラッチが切れない状態でスタートしてしまったのです。
「準備こそが本番」準備不足とか優先順位とかが間違っていたんだな。
高回転型のエンジンで「第二のアクセル」半クラッチが使えないのはまことに辛い状態だった。
んでスタート直後の混乱の土手もろくに上がれない有様。
テージャス山の裏あたり、全開のヒル?とかいう所までどうにかやってきた。
ここで全員が上がれない状態になって、長時間足止めを喰うことが予測できた。
考えた。
A : 乗ってて楽しくないけど、だましだましとにかく前へ進む(リザルト重視)
B : ここで30分費やしてでもクラッチを整備してコースを楽しむ(楽しみ重視)
Bを選びました。
せっかくのこの素晴らしいコースを楽しまなきゃ!って思い
フリクションを1枚抜いてやろうと考えたのです。
セローと違い、「クラッチカバー」というものがあります。これは便利。
コース外に出して木の下で倒し、泥を入れないように注意してプレッシャープレートを外そうとしたのですが1本カジって緩みません。
結局、目標達成ならずでフタを閉め、コース内に復帰。
やがて混沌としたセクションはカットされました。
「そんならやらなきゃよかった」徒労感も抱えてまた走り始めましたが気持ちも乗らないし、雨の中エンジンをかばって整備したおかげで身体を冷やしてしまいました。
それでも馬場下のガレクライムはなんとか登れましたが、やはりエンジンの瞬発力やパワー、トラクションはすごいと感じました。
セローではあの登り方はできなかっただろうと思います。
チェックポイントを過ぎ、秋月坂を越え、アリ地獄のようなキャンバーへ来ました。
全員落ちています。TOP雁殿でさえずり落ちてしまう難所でした。
しかしここへ来る頃、エンジンからの異音に気付いていました。
うわ、tmのエンジン壊しちゃった〜どうしよう。
マサオが真っ青になりました。
てっきり変な所で開けたのが原因で何かを入れてしまい、エンジンの中をおかしくしてしまったのだと、ものすごく心配になっちゃったのです。
(心配するほどの事はなく、後日の点検整備で直りました)
風邪引きみたいな症状もひどくなってきていたし、エンジンもおかしいし、目の前は修羅場になってるし、これはもうムリだ。エンジン止めよう。って心折れました。初戦リタイヤ。
兵庫までの帰路がこの体調ではまずいと思い、早々と撤収しました。
JNCC****
メジャーなレースは僕には関係ないと思っていたのですが、昨年末のビッグディア広島を見に来て「あー!出たいなー!!」って思いました。
華やかで良い雰囲気のパドック。有名選手も当然ゾロゾロいます。
AAの方たちの走りはすごかったですね。びっくりしました。
マシン整備の課題もかなり対策できましたし、こんどこそは完全燃焼を目標にがんばって楽しみたいと思います。
ただ、暑さがヤバイですね。また台風が来ていますがどうでしょう。。。
COMP-GP Rクラス 766番(黒地に白)イキまーす!
平 谷****
昨年初出場して痛い目にあったのですが、すばらしいイベントだったのでまた出たいとは思ってました。
しかし今年は7月中に2レース予定であきらめていたところ、延期になったJNCCも同じ24日になってしまい、完全見送りになりました。
また来年以降に検討したいと思います。もちろん秘密セロー号でね。